あなたの夢で眠りたい

夢見た未来はまだ来ないけどその日を迎えたい、きみと一緒に。

なにわ男子のデビューと末澤誠也くんのこと


唐突だが、自担が病むと大抵のオタクは一緒に病む。


だからと言うわけではないが、好きなアイドルには心身ともに健やかでいてほしい。なるべくなら、いつも笑って楽しく過ごしてほしい。これは多くの人が願っていることだろう。わたしもその一人だ。


だから今日も問いかける。
末澤くん、元気にしていますか?




なおこの記事は、末澤誠也くんのいちオタクが好き勝手に推察をして解釈を書いているだけだということをあらかじめ断っておく。





さて、末澤誠也というアイドルは世間の人たちにどう映っているのだろう。

わたしにとって彼は、「末澤誠也」という己をしっかりと持っていて、強かで、芯がある。そんなイメージ。少しのことでは揺らぎもせず、力強い言葉で後ろを引っ張れる人。


でもそれはもしかしたら、末澤くんが自己暗示をかけた表面を見ているだけなのかもしれない、とこのごろよく感じるようになった。

末澤くん自身がこうありたい、こうなりたいと願って自らそう立ち振る舞っている部分。
実は根幹はそうではないのかもしれない、と思うことが、今年に入ってから多くなったように感じる。


自己暗示。言うなればそれは自己実現のための大切なプロセスだけれど、彼の場合、自己暗示をかけてそこに集中することで、根幹の本質的なところから目を背けているのではないか、と思うことがある。


そう思ったきっかけはある雑誌での発言だった。
その雑誌では、末澤くん自身の仕事の向き合い方、考え方などについて語られていた。

もちろん、グループを組んだからにはCDデビューしたいと思いますけど、そういうこともここ1年ぐらいであんまり深く考えへんようになりました。だってほんまに今、エンタメ界全体も事務所もこの1年でめまぐるしく変わっているから。3年後、4年後にどうなっているかは全く分からない。俺は年齢的な焦りはなくはないけど、現場でちゃんとやっていれば、その先に何かある気がしていて。新しいデビューの仕方が生まれるかもしれないし。

(日経エンタテイメント!2021.6)


正直、このテキストを初めて読んだときはかなり苦しかった。
CDデビューを見据えて今の活動を続けているのではないのか。それなら、今のグループとしての、末澤くんとしての目標はなんなのか。どこを目指して進んでいるのか。
責める気持ちはなかったけれど、どうしようもなくショックだったのを覚えている。


たしかにこの雑誌の発売当時は何度目かの緊急事態宣言が発令されている最中で、まだまだ舞台やコンサートの公演中止が相次ぐ状況だった。
コロナ禍でエンタメのあり方が変わったことは事実だし、その影響も計り知れない。なにわ男子のデビューだって、コロナがなければもっと早かったかもとすら言われている。


末澤くんが言いたいこともわかる。だけど、だ。

デビューを諦めたわけではないにしろ、そう言われてしまうとこちら側としては悲しかった。


このことを、仲の良い藤原担に話した。

ひとの心の機微にはいっそう敏感な彼女はいつも論理的に答えてくれるから、なにかあるとわたしはいつも泣きついている。
彼女は、末澤はきっと不安なんじゃないか、と言った。


「ひとって、不安や苦しみに向き合うことはものすごく大きなストレスなんです。もちろん、真正面から立ち向かって解決するのはいいことですけど、それができなくて心のバランスを崩してしまう人もいる。

だから、その不安に目を向けないようにすることで心を守るのも、自己防衛としてただしいあり方の一つなんですよ」


2020年からのこの1年は、誰もが先のことを案じた年だったに違いない。それこそ、「このままでデビューできるのか」という漠然とした不安も抱いただろう。

それを末澤くんは、「既存のデビューの仕方じゃなくても、なにか別の形で叶うかも」と考えることで「CDデビューできるのか」という不安から思考を逸らしているのではないか。


また、末澤くんは同じ雑誌で自身の仕事の捉え方についても話している。

グループが結成される前までは個人戦だったけれど、今はグループに還元したいという気持ちがある。Aぇ! groupのメンバーに個人仕事が決まると嬉しさ半分、悔しさ半分になると話した上で、なにわ男子に対する思いも語ってくれた。

メンバー以外、例えばなにわ男子とかに新しい仕事が決まっても、僕はそこに悔しい気持ちはないんですよ。ネタとして「なにわ男子は王子様やのに、僕たちは〜」みたいなことを言うときもあるけど、正直、本心ではそういう考えでやっていない。俺ら自身は、なにわ男子と自分たちを比べてないから。「Aぇ! はAぇ! のペースで」って言える自信もあるし。焦りがあるとしたら、それは俺たちの中での話。ファンの方が自慢できるグループでおれるように頑張らなあかんと思ってるから。

(日経エンタテイメント!2021.6)


これはAぇ!結成当初から、末澤くんがずっと言ってきたことだ。
まいじゃにでもなにわ男子をライバルに挙げるメンバーがいたりする中、末澤くんはライバルを「いない」としていたし、Jr.維新*1の中でも「Aぇ! groupはキラキラじゃないってみんなよく言うけど、僕はそう思ったことないです。〈中略〉俺らもキラキラやで」と話していた。

それくらいAぇにはAぇの色があると考えていて、自分のグループに自負と誇りを持っている、そんなことが窺える。




さて、来たる7月28日、なにわ男子のCDデビューがコンサート中にサプライズ発表された。
この模様はYouTubeを通して生配信され、リアルタイムで見ていた人は多かっただろう。


デビュー発表後、一番にそれについて触れられたのはやはりAぇ!!!!!!だった。
7月29日に小島くん、翌30日に正門くん、そして8月2日に末澤くんが更新。

小島くん、正門くんが「デビューおめでとう!」と書いている中、末澤くんは直接なにわ男子のデビューについては触れず、「Aぇ! group6人で絶対にデビューします!!!!!!」とだけ綴っていた。


絶対にデビューする。なんて力強い言葉なんだろう。わたしはその一文を読んで泣き崩れた。何度も何度も読み返した。ずっと目に留めておきたくて、スクリーンショットをロック画面にしたほどだ。

CDデビューという形でなくても、と言っていた末澤くんが、絶対に、デビューする、と宣言してくれた。これ以上うれしいことがあるだろうか。
だって、これは末澤くんが「デビューしたい」という己の願望にきちんと向き合ってくれた証拠だ。


ずっと聞きたかった言葉。末澤くんが今を生きている答え。それを引き出してくれたのは他でもなく、なにわ男子のデビュー発表だったのだ。




しかし、安堵したのも束の間、今度は「なにわ男子のデビュー」ということについて、真っ向から立ち向かえていないのでは、と思うことになる。



発端は8月14日に掲載された、産経新聞内ごっつええやんの記事中にある。
デビュー発表後はじめてのインタビューが世に出たのがおそらくこの媒体で、末澤くんは佐野くんと二人、728の日をどう過ごしたのか話した。


佐野くんは「生配信を家で見てて、素直に喜びました」と話したのに対し、末澤くんは「僕はネットニュースで知って、丈には「おめでとう」と連絡したくらい(笑)」と言っていたのだ。


小島くんと大晴くんは二人で松竹座の楽屋で配信を見たと書いていて、正門くんもリチャくんもリアルタイムで見ていたとブログに綴っていた。
当日はおそらくサマスペのリハがあっただろうし、リチャくん、佐野くんが家にいる時間帯に末澤くんが自宅にいなかったとは考えづらい。

もしかして、末澤くんは敢えて生配信を見なかったのではないだろうか。
わざと、自分自身の決断として、見ないことを選んだのではないだろうか。


もちろん、万に一つの可能性として、末澤くんに私用があったり、個人仕事があって家にいなかったことは考えられる。

しかしなにわのデビューについて、末澤くんはこの記事を書いている11月10日現在まで一度も「おめでとう」と言っていない。Aぇの他のメンバーや、他のJr.の子たちが言うように、感動したとも、嬉しかったとも、しかし悔しいとも言っていないのだ。


その後の雑誌で、末澤くんはこんなことを語っている。

なにわ男子のデビュー発表を聞いたからって、自分の気持ちに変化は、全然。俺は別に何も変わってない。なにわ男子はライバル視する相手ではないし、728の日は何かあるやろうなって、なんとなく感じていましたから。

(STAGE navi 2021 vol.59)


同じ記事内で、リチャードくんが「ちょうど前日にAぇ! groupの中でも、「明日のライブで何か発表があるんちゃう? なにわの日やし」みたいな話になってて。初めは 全員で早めに松竹座入らせてもらってYouTube見る?って言ってた」と話している。

7月28日の公演はなにか発表があるだろう、と彼もわかっていた。その上で配信を見なかったのは、やはり意図的だったと思われる。


以前から、なにわはライバル視する相手ではない、と言っていた末澤くん。
本当に気に留める相手でないのであれば、配信を見れたのではないか。


ましてやなにわには末澤くんと非常に仲の良い藤原丈一郎くんがいる。その丈くんがいるグループの発表に対し、無関心を装うのはあまりに不自然な気がした。
事実、デビュー発表を受けて丈くんにだけはお祝いの連絡をしているのだから。

むしろ末澤くんは、丈くんがいるからこそ、生配信を見なかったし、悔しいとも嬉しいとも、なにも言及しない(言語化できない)のではないか、とすら思う。



末澤くんと丈くんの仲の良さは周知の事実だ。

仲が良いJr.と訊かれれば必ずと言っていいほど互いの名前を出すし、プライベートでも昔からよく遊んでいて、そのエピソードといったら枚挙にきりがない。
恋のライバルにしたくないのもお互い、仕事の話や相談をよくするのもお互い。それぞれの現場にも頻繁に顔を出し合い、同じ現場ともなればいつも二人で楽しそうに笑い合っている。
もしもJr.大賞に距離感のおかしいJr.ランキングがあれば、まさにしと並ぶ順位を取っていてもおかしくはないだろう。

そんな二人のことを丈くん自身は「かけがえのない戦士」「関西Jr.のメッシとスアレスと表現していて、グループが分かれてからもそれぞれが影響し合い、切磋琢磨しているように見える。



けれど末澤くんにとっての丈くんは、ただ仲の良いJr.、良き理解者、ライバル、というだけではないはずだ。


末澤くんが入所したときには、年下の丈くんはすでに5年のキャリアを積んでいて、舞台でも役と台詞をもらっていた。
約2年もの間仕事に呼ばれない期間があった末澤くんに対し丈くんは常に表舞台に立っていたし、同じ括りになってからも丈くんはそのグループの中で一番前に立っている。

ステージから降りれば横並びで話しても、舞台上では常に藤原丈一郎の背中を見てきた。それが末澤誠也という男だ。


事実、末澤くんは維新の中で自分が後ろの状況が悔しかったと語っている。

おととしの、あけおめコンのときには、立ち位置と衣装の差が明確に出たんですよ。1階と2階に分かれてて、僕は2階…。結構キツかった。丈やリチャが気ぃ遣ってて、それも分かるからこそ、つらかったです。

(週刊ザテレビジョン 2020年2月14日号)


そしてまた、丈くんのことを敬愛しているのも事実だ。

末澤くんがはっきり丈くんのことについて語ることは少ないが、「丈はいろいろすごいやつやからな」*2と言ったこの一言には全てが詰まっていると思う。
末澤くんにとって、丈くんはすごいやつ、なのだ。彼の中でのその存在は、こちら側からは計り知れないほど大きい。

直近のなにわ男子に向けた祝福のコメントでも、末澤くんは丈くんにだけメッセージを寄せて、こう話している。

デビュー発表を聞いて連絡したのは丈。俺は丈のお笑いセンスが好きやし、そばで見ていてずっとすごいなって思ってたから、これからも変わらずお笑い担当として、なにわ男子を引っ張ってください。
しっかり者で、思いっきりふざけることもできるってすごいことやと思うよ。

(週刊ザテレビジョン 2021年11月19日号)


信頼と尊敬、そして憧憬。けれどきっとそこには、闘争心も混じっているに違いない。
だからこそ、そんな丈くんがいるからこそ、なにわ男子のデビューに真正面から向き合えないのではないか。


末澤くんは、自分の好きな人以外は他人に興味がない、とよく言っているけれど、自分の手が届く範囲にいる相手のことはわりと気にかけるタイプだと思う。学生時代生徒会長を務めたような人間が、他者に対してそんなに無関心なはずがない。
クールぶってはいても、実は面倒見がいいし情に厚い一面もあることは知られている。

関心がなくて配信を見なかった、というポーズを取っているのかもしれないが、返ってなにわ男子に対する大きな感情が露見しているように感じてしまう。



そして極めつけは10月18日に更新されたYouTubeのこの動画である。


なにわ男子【卒業します】関西Jr.へ真剣メッセージ&重大発表も - YouTube



収録済みのコメントでも中継でもローテンションだった末澤くん。他のメンバーがいわゆる「エモーショナル」な情感を引き立たせるコメントをする中、一人だけ笑いに持っていくエピソードトークをしていた(しかもまた丈くんとの) (丈くんのこと以外話すことないんか)

中継では、末澤くんのそんなテンションを不安に思ったのか丈くんがいじってくれてようやくいつも通りくらいまで戻ったけれど、あまりにもいろんな感情が露骨だった。

普段から機嫌はわかりやすい人だが、今まで文面でしか窺い知れなかったなにわ男子のデビューに対する態度をここまでありありと見せられてしまうと、これが現時点での答えなのだ、と思わざるを得ない。


それに、配信を見なかったのは家にいなかったからかもしれないという薄っすらとした希望すら、この動画で打ち砕かれてしまった。

家にいながら、敢えて見なかったのだ。いや、もしかしたら心境的に見れなかったのかもしれない。


ここまで引きずるのであれば、いっそのこと「なにわのデビューは悔しい気持ちもあるけど俺たちもがんばるから!」くらいに言ってくれた方がこちらとしては楽だ。

でもきっと末澤くんは認めたくないのだと思う。自分が抱いている悔しさや、さみしさや、不安を。
そして名付けようもない、漠然とした大きな感情を。


ちなみにこれはわたしの体感だが、この動画が上がったあと、もともと不安定だった末澤担たちの鬱度が急加速した気がする。
わたしもどん底に落ちたし、動画もまだ最初の一度しか再生できていない。しんどすぎて見るに堪えないのだ。



さすがにここから1ヶ月が経つので、今夜のベストヒット歌謡祭のときにはなにわ男子の門出を笑って送り出せる末澤くんでいてほしいと願う。

末澤くんはどんな思いで彼らの背中を見送るのだろう。
その答えをいつか、笑って教えてほしい。




何年後か先、なにわ男子とAぇ! groupがお互いにデビュー組として同じ舞台に立てる未来を夢見ているし、必ずその日を迎えたい、迎えられると信じている。



Aぇ! group6人で、絶対にデビューしようね。

*1:令和Jr.維新!西の陣。末澤くんは最終回を担当

*2:STAGEnavi Vol.52より