あなたの夢で眠りたい

夢見た未来はまだ来ないけどその日を迎えたい、きみと一緒に。

Aぇ! groupのさらなる飛躍を願う2023年

カウントダウンの秒針が動き出した。


そう感じているのはきっとわたしだけではないだろう。


22年9月、ぴあアリーナMMで催された『おてんとコン』(正式名称:西からAぇ風吹いてます!おてんと様も見てくれてますねんLIVE 2022)以降、Aぇ! groupはさまざまな雑誌でデビューについて触れられることが増えている。

関西を拠点に活動するジャニーズJr.のグループが「関東のアリーナ会場を自分たちだけで埋めた」という実績と自信はとても大きかったことだろう。

それに加え、横浜という東京からすぐに向かえる立地はメディアや業界の関係者を招待しやすい。Aぇ! groupの実力を認知してもらうには最適だったはずだ。
事実、あの4公演での関係者席は、ほぼ毎回のようにダークスーツを身に纏った人たちで埋め尽くされていた。



7月、『Summer paradise 2022』でのAぇ! groupの公演は中止になってしまったのだが、この振替公演として決まったのがおてんとコンだった。
これは「どうしても関東のアリーナで単独公演をさせてやりたい」というスタッフさんの熱意により、急遽取り計らってもらったものらしい。


正直なところ、もしサマパラがきちんと開催されていたとして、おてんとコンと同等以上のインパクトを残せたかと言ったら難しいように思う。

HiHi Jets、IMPACTorsという他グループの名前が並列する事務所のイベントと、完全に独立した単独コンサートでは、やはり後者の方が印象としては強く残るだろう。


また、「タイミング」としても大きいものがあった。

奇しくもおてんとコンの2日目である9月29日は、TravisJapanがデビュー発表をした日である。
この日の昼公演で末澤が発した言葉は、ずっと忘れないと思う。

やっぱりいいですね、ライブって。なんか、ほんまにやる度にそう思ってる自分がいますね。
みんなのおかげでステージに立つのが楽しいんやなって思わせてもらうし、もっと頑張らなあかんなっていうのも思います。


……なんかさ、いろいろ喋ろうと思ってんけど、さっきの『PRIDE』で忘れたわ(笑)。
いやでもさ、……上手く、伝えられへんから。なんかこう、なんていうんやろ、もう真っ直ぐな言葉で言うんやけど。

俺ら頑張るからさ、Aぇ! group。まだまだやから。

だから、頼むわみんな! みんながおってここにいるから。俺たち6人じゃできることって限られてるから。みんなの応援とかがあるから俺らはステージに立てるし、いろんな活動ができてるから。これからも、Aぇ! group信じて、ついてきてくれたら嬉しいです。

みんないつもほんまにありがとう。
Aぇ! group、まだまだいけます。まだまだ頑張ります!みんなに、ちょっとAぇ! group大丈夫? って思われるくらい頑張ります!!
だから、これからも全力で! ついてきてください。
本日は本当にありがとうございました。


客席の下から上まで、隅々を見渡してファンに伝えるその姿はとても自信に満ち溢れ、力強い表情だった。

「直接顔を見てファンに言葉を伝えられる貴重な機会だから」と、末澤はコンサートでの挨拶を大切にしている。

そんな彼だからこそ、この日ファンに向けて発した言葉の重みは大きい。
それができたのも、おてんとコンがこのタイミングで開催されたおかげだ。



そしてまた、11月に行われた『ドリライ』こと大坂城天守閣復興90周年記念「大阪城夢祭」のドリームライブも大きい。
このライブ中、明確に「カウントダウンが始まっている」と予感させることが何度もあった。


まずなによりも、ライブ中盤で発表された各コンサートの内容だ。
年始のあけおめコンサートの出演者に、Aぇ! groupの名前がなかったのである。

すでにAぇ! groupは、2022年12月から2023年2月までグレショーでの舞台ツアーが決まっている。
この日程では年末年始の公演スケジュールがごっそり抜けていたため、年末は今年もカウコンに出演、年始は2日〜4日あたりまでで関ジュのあけおめに出るのだろうと考えられていた。

あけおめコンサートとは、関西ジャニーズJr.が勢揃いして年始にコンサートを行うもので、毎年の恒例行事だ。わたしの初めて入ったあけおめが2008年だったので、もう10年以上続く伝統行事と言ってもいい。

その関ジュの伝統である、あけおめにAぇが出演しない。これがどういうことか。
もう、2023年の関西ジャニーズJr.の最前列はAぇ! groupではないということなのである。


騒然とする中、追い討ちのように続けて発表されたのがAぇ! groupの単独全国ツアー『Aッ!!!!!!と驚き全国ツアー2023 』だった。

ジャニーズJr.のうちに全国ツアーを回らせてもらえるグループは限られており、ひとつの人気・実力の指標でもある。
近年でいえば、2019年に(デビュー発表後ではあったが) SixTONES 、その同年になにわ男子、2021年にTravisJapanが行った。また、美 少年も今年の春に3都市を回るアリーナツアーが発表されている。

これはもはや確信的と言っても過言ではないのではないか。
関ジュ卒業を予見させるあけおめの出演者、そして単独全国ツアー。



また、ドリームライブのセットリストや歌割りの構成もかなり特徴的だった。

大枠の内容は以下の通りだ。

関ジュの全体曲3曲

各ユニット2曲ずつ

Aぇ+Lil

全体曲

MC(特技披露)

ユニットシャッフルコーナー

全体曲3曲

挨拶

全体曲

アンコール


これは関ジュの王道的セトリと言えるだろう。
そう、王道だった。ものすごく王道で、「最前列のグループ」が目立たないセットリストだ。

現状、関ジュの最前列はAぇだが、そのAぇ! groupが抜きん出たセットリストになっていない。強いて言えば、差別化されていることとして、オリジナルの楽曲を複数持っているLil かんさいがオリジナル曲とカバー曲だったのに対し、Aぇは2曲ともオリジナル曲だったということくらいだ。


Aぇが突出したセトリになっていないのは、ドリライ初日に彼らが出演しなかったことも関係しているだろう。1日目と2日目でセトリを大幅に変更するのは、若手が多い関ジュにはリスキーだ。

しかし、それを前提にしても、今年のあけおめのときのようにもっとAぇの特色を出す曲を組み込むこともできたはずだ。
今回はそうしておらず、全体曲はジャニーズWESTの曲2つを除き、関西Jr.のオリジナル曲に終始していた。


もう一つ印象的なのが歌割りである。

関ジュ全体曲のAメロやBメロは、だいたいその時代の最前列にいるグループの個人で当てがわれることが多い。
2021年まではなにわのメンバーにソロパが多かったし、2022年はAぇのメンバーがソロパを多く持っていた。

しかし今回、ほとんどそれがなく、代わりに目立ったのがAぇ! group +Lil かんさいという複数人で歌う歌割りだ。

その編成は序盤から一定している。
そして特にそれが顕著だったのが本編最後の曲『Dream Catcher』である。

この曲は今年の狼煙あけおめ公演でも最後に歌われているが、Aぇのメンバーのみだったところを今回のドリライではりとかんメンバーも一緒に歌っているのだ。

【】を狼煙あけおめで示し、その後ろに+で今回のドリライでのみ歌っているメンバーを表した。



熱く駆け抜ける姿を ただ、踏みしめる大地を【正門】+嶋﨑
まっすぐに受け止めて 僕らは何を想う【福本・佐野】+大西

時を切り裂く流れ星 ほら、あの日の思い出は【草間】+西村
震えるほど儚くこの手を導いた【末澤・小島】+ 岡崎・當間

聴こえるよ誰かの声が【Lil】
確かな声が【Bb】
扉を開けて。【Lil】
ほら見つめて。【Am】
一度だけの夜明けがここにあると【Aぇ】

サビ【全員】

Wow〜Yeah【末澤】+嶋﨑
To the future【草間】+ 西村
So Catch the dream【末澤・草間】+嶋﨑・西村

追いかけるほど離れてく 遠く消えそうな幻【Lil】
それでもまたこんな風に【Am】
分かち合えるものがあるのなら【Aぇ・Lil】

サビ【全員】


見づらくてすみません……



アンコールでの『大阪ロマネスク』でも同様のことが言えよう。
頭サビが正門+嶋﨑、落ちサビは末澤+西村→正門+嶋﨑だった。

正門と嶋﨑はグループのセンター、末澤と西村はグループのエースと称され、それぞれが似たポジションを担っている。その2人が同じパートを歌う様子は、まるで今後の関西Jr.の最前列をAぇ! groupからLilかんさいへと引き継ぐ、バトンパスのような形に見えた。



バトンパスで言えばもう一つ思い当たることがある。
『第22回 わが心の大阪メロディー』の出演者だ。

この大阪メロディには大阪・関西万博を取り上げるコーナーがあったのだが、そこにAmBitiousが出演していたのである。


関西万博といえば、2022年Aぇ! groupが機運醸成応援団に就任したことは記憶に新しい。
これ以外でも、Aぇ担はレギュラー番組の『関西ジャニ博』で関西万博の名前を毎度耳にしているだろう。

往々にして関西勢は大人の諸事情により万博関連の仕事に関わることが多いのだが、第22回の大阪メロディではAぇ! groupではなくAmBitiousだった。


なにわ男子では大西流星有識者懇話会の若者代表として委員を務めていた。
その万博の仕事をAぇが受け継ぎ、今度はアンビに引き継いだ形のようにも見える。




2021年11月12日、なにわ男子がデビューし、Aぇ! groupが初めて関西ジャニーズJr.の先頭に立ったのが翌22年1月2日。

この『THE BEGINNING 狼煙』というあけおめコンサートで、Aぇ! groupは確かな実感を掴んでいた。

そのころからだ。本人たちが明確に「次は絶対に俺たちがデビューしたい」と口にするようになったのは。


末澤曰く、「狼煙を経てようやく口に出して言えるようになった」という。今まで漠然としていた「デビュー」という像が、ようやくはっきりとした形で見えるようになってきた、と。
これは Aぇ! groupのメンバー誰もが、口を揃えて言っていることだ。「デビュー」という一つの目標の到達点を、明確に捉えられるまで近づいている。そしてそれを全員が同じように実感している。

さらに末澤はこうも述べている。「然るべきタイミングで言葉を発した方が、ファンの人に絶対伝わるから」と。
彼らは、デビューを明言するのは今のタイミングだと見定めているのだ。


今年、2023年のあけおめコンサートにAぇ! groupの姿はなかった。最前列にいたのはLil かんさいである。
岡崎曰く、Aぇが23年のあけおめに出演しないことは22年の5月には聞いていたそうだ。

つまり、その時点で水面下ではさまざまなことが動いていたのである。もちろんきっと今も。



そんな2022年を経て、2023年の彼らは現在グレショー舞台ツアー『ガチでネバーエンディングなストーリぃ!!!!!!』の真っ最中である。

それが終わればグループ結成4周年を迎え、3月からはいよいよ初の全国ツアーがはじまる。
大阪公演が前半と後半の2回も組み込まれている今回。多かれ少なかれ期待してしまうところもあるが、まずはオーラスの北海道まで何事もなく、全員で完走できることを願う(なんせ44公演もある)。


2023年、Aぇ! groupがどのような飛躍を遂げてくれるのか楽しみだ。