あなたの夢で眠りたい

夢見た未来はまだ来ないけどその日を迎えたい、きみと一緒に。

ジュウロウにとってのコウについて考える回


急になんの記事やねん。


そうです、グレショーことTHE GREATEST SHOW-NENにて絶賛放送中の第14回公演『美しい人』についての話です。

各回の考察をすっ飛ばして気になるところだけピックアップしていくスタイルですどうぞよろしく。



さて、なんの予備知識もなしにこの記事を開く方はほぼいらっしゃらないと思いますが、念のためふたりの関係性のおさらいを。


末澤誠也演じるジュウロウは、『美しい人』の檻を監視する政府側の役人。
佐野晶哉演じるコウは、路上で絵描きをしていたが、施設に強制収容された美しい人のひとり。

ふたりは実は学生時代の知り合いであった。
コウは同性が好きなことでいじめに遭い、学校を退学した過去を持つ。その際に唯一味方になってくれたのがジュウロウだったといい、 コウは劇中で「そのときから僕は、ジュウロウくんのことを尊敬して崇拝してきました!」と熱弁している。


ジュウロウとコウは、『美しい人』の開園初日ですでに(うっすらとだが)お互いを認識していた。

それが確信に変わったのは、コウがリーと共に檻の外の人間と密会しようとしたある夜のこと。リーが物々交換のために声をかけた相手がジュウロウだったのだ。
相手が役人であることに気づいたリーはすぐに逃げ去ったが、コウはその場に佇む。
ジュウロウはコウとの再会を喜びつつも、役人の立場としてコウに「次見つかったら100パーセント銃殺される」と忠告し、その場を去っていった。

ジュウロウはこの時期にはすでに、人権を無視するような『美しい人』の政策に疑問を持ち、美しい人たちへ心が寄っていた。
そして、コウとの密会が公安警察の内川に見つかったジュウロウは、実弟であるゴロウの手によって銃撃され、『美しい人』の檻に収容されてしまうのだ。


足に深い傷を負ったジュウロウに対し、リーは役人を助ける必要などない、見せしめに吊し上げてやると憤る。
するとジュウロウは、銃創に苦しみながらも、初めてコウ以外の前で自分の本心を吐露するのだ。


「外にいるときから思ってました。檻の中にいる人たちの方が本当に美しい人たちやと。だから、わたしを美しい人の仲間に入れてください!」


ジュウロウを敬愛するコウの純粋な心。本当に美しい人になりたいと願うジュウロウの真摯な想い。
ふたりの気持ちに心を動かされたリーと部下、社長は、ジュウロウを仲間として迎え入れる。

こうして美しい人として檻の中で生きるようになったジュウロウは、やがてその謙虚で慈悲深い人柄を支持され、「ジュウロウ様」として崇められる存在になる。
ジュウロウ様はあらゆるひと(檻の外の役人でも)を赦し、病を癒す力さえ持つとされるようになったのだ。

そしてその様子を檻の外から監視するゴロウは言うのである、「おまえほんまはそんなやつちゃうやろ」と。



ここまでが今週10月8日放送回までのざっくりした内容です。


わたしが気になったのは2点。

・なぜジュウロウは美しい人に心惹かれたのか
・ジュウロウ様の立ち振る舞いはどこに由来するのか

結論から言いますが、これすべてコウくんの存在が理由では?


まず1点目の疑問。ジュウロウが美しい人にずっと惹かれていた理由。

あのA(かAぇかの表記は知りませんが)の檻にコウくんがいなかったら、ジュウロウはもっと確実に政府に忠誠的な役人でいられたと思います。
たしかに、そもそもゴロウよりもジュウロウの方が美しい人に対して友好的な態度で接していましたが、それは『美しい人』の政策が円滑に回るようにするための社会人としてのものだったように感じます。

※『』内での美しい人は、人権を守られた「人間」ではなく、「もの」あるいは「動物」のような扱いだと捉えています。


ただそこに、学生時代の同級生であるコウくんがいたから、ジュウロウは檻の中の人たちをただの『美しい人』とは思えず、「本当の美しい人」だと感じ、「自分もそうなりたい」と思ったのではないでしょうか。
だから、コウくんとの交流が深まっていくごとに政府への猜疑の念が強くなっていく。


現時点で本人から語られてはいませんが、ジュウロウにとってのコウくんはただの元同級生というだけではないはずです(本家映像観れてないのでもしなにか言及されていたらすみません)。

ジュウロウはコウくんのことを「よく知っている」と話していましたし、そもそも同性を好きになったことでいじめられていたというコウくんを助けた時点で、複数人がカテゴライズされる「同級生」ではなく、もっと特別で唯一無二の関係性がふたりの間にあったことが想像できます。

友人、親友……あるいは既存の言葉では表現できない何か。

コウくんはジュウロウを「尊敬し崇拝している」と言っていましたが、ふたりの間柄を表すにあたって、コウくんからジュウロウへと伸びるだけの一方的な関係性ではなかったはず。
当時からジュウロウも何かしらの形で、コウくんを特別に想っていたのではないでしょうか。


以上のことから、ジュウロウの美しい人への憧憬は、コウくんの存在が理由だと考えました。
ジュウロウは劇中で「檻の中にいる人たちの方が本当に美しい人たち」と複数形で語っていますが、そもそもの発端は「コウくん」が「美しい人」だったからと思います。

ジュウロウは美しい人になりたかった。

そう、つまりジュウロウは、コウくんと同一化したかったのではないでしょうか。


そう考えれば2点目の疑問、「ジュウロウ様」になったあとの立ち振る舞いの変容ぶりも理解できます。

役人時代のジュウロウは、凛としていて強かな様子でした。しかしジュウロウ様は凪のように、あるいは春風のように、常に穏やかであたたかな微笑みを浮かべています。


ジュウロウは本質的に繊細で優しい人柄だと思いますが、本来もっと快活で、どちらかといえば鋭利で硬質な雰囲気の繊細さを持ち合わせているように感じます。
しかし、ジュウロウ様から滲み出る繊細さは、もっと絹や真綿のように人々を包みこむ、いわば聖母のようなたおやかさがあるのです。

ゴロウの言う「そんなやつちゃうやろ」は、「崇め奉られるような人間ではない」という意味の他に、こういった雰囲気の変化も含んでいるのではないかと思いました。


では、このジュウロウ様の立ち振る舞いはどこから来るのか。

それこそが「コウくんと同一化したかった」ジュウロウの心理によるものだと考えます。

穏やかで優しい、カシミアのような繊細さはコウくんの持つ雰囲気と酷似しています。
美しい人であるコウくんと同じように、本当に美しい人になり、ジュウロウはさらに自分の理想とするコウくんの性質を自分の中に取り入れ、ジュウロウ様として存在しているのです。


ジュウロウは今や「ジュウロウ様」として神格化されています。

第一話でゴロウが語っていたように、人々の願いを叶える神様はとても大変で、休むひまもありません。
自分はなにも持っていないと言ったジュウロウが「ジュウロウ様」としてあるためには、自分の理想とする存在が必要だったのかもしれません。





さあ、以上が末澤誠也のオタクによる邪推に邪推を重ねた上での妄言考察でございました。
皆さまはどのようにこのふたりの関係をご覧になっているのでしょうか。


ちなみにグレショー次週はお休みということで、結末が非常に気になるところです。
あと重大発表ってなんでしょうね!全国放送かな?それとももしかして円盤化!?鳥肌立つ発表ってなんだろう!いずれにしても今後もグレショーが楽しみです!!!